皆様からお寄せ頂いている相続や遺言のケーススタディをまとめて掲載。
形式面の要件をクリアすれば、次に「何を遺言に書くか」が問題となります。
まず、遺言に書いて、法的に意味と持つものは民法等で規定されています。
(参考)遺言でできることを知りたい方
また、形式的に問題がなくても、内容に問題があると遺言内容が無効となったり、狙いどおりの効力を発生させることができないこともあります。
内容面で問題となる例は次のとおりです。
遺言者が死亡し遺言の効力が発生するときに、予定されていた人や財産がなければその部分に対して遺言は無効となります。
たとえば、遺産を遺贈しようとしていた人が先にお亡くなりになっていたときや、家を相続しようと思っていたのに、その家が火事で全焼してしまっていた場合などが一例です。
なお、このような場合に備えて、補充遺言をすることができます。
遺言内容の瑕疵ではありませんが、遺言執行者がいないと相続人や遺贈を受ける者が過分な苦労をしなければならなくなることもあります。
わざわざ相続人らのことを思いやって遺言を残したのに、これでは残念な結果となってしまいます。
遺産の記載方法に問題があるため本来の効力が得られないケースは、非常に多くみられる失敗です。
遺言には、本人だけでなく誰が見てもその財産と遺言の文言が対応していると文句のつけようがないようにしなければなりません。
たとえば、建物に関して遺言を書く場合は、最低でも所在地と家屋番号を書かなければなりません。これに不足があると遺言を使って法務局で登記をすることができなくなります。
本人の事情を考慮してなどということは通用しないのです。
遺留分に反する内容が書かれている遺言でも無効ではありません。
遺留分に反している場合でも、その分の権利を請求するか否かはその相続人しだいであり、とりあえずは有効なものとなります。
もちろん、遺留分に反する場合は後の紛争の火種になりかねないので注意は必要です。
最後に、いかに有効な遺言を残せたとしても、それが途中で紛失したり、遺言者の死後に発見されないようでは意味がなくなってしまいます。
ただし、公正証書遺言の場合は公証役場にも同じ物が残されています。
自筆証書遺言の場合は、死後に必ず遺言の存在が相続人にわかるような場所に保管しておくか、遺言を残したことを信頼できる人に伝えておかなければなりません。
公正証書遺言でも、相続人が、遺言は無いものとして行動してしまうと問題となるため、遺言の存在を伝える必要はあります。
また、遺言執行者がいる場合は、その者に公正証書遺言の正本を渡しておくのもいいでしょう。
