皆様からお寄せ頂いている相続や遺言の事例集をまとめて掲載。
[ 相談内容 ]
ある方にお金を貸し、その所有する不動産に抵当権をつけています。
先日、その債務者が亡くなりましたが、債務超過が明らかなため、相続人達が相続放棄をしています。
抵当権に基づき競売をすると売却価格が下がり、私たちへの配当金額が下がってしまいます。
一方、売却価格を保つため任意売却をしたいのですが、肝心の売主に当たる人がいません。どうすればいいでしょうか?

ある金融機関の担当者からのご相談です。
この場合、相続人の有無を確定させ、全員が相続放棄等をして相続人いなくなれば、家庭裁判所に『相続財産管理人』の選任申立を行い、
選任された相続財産管理人が売主的な立場となって任意売却を行います。
家庭裁判所に選任を申し立てるためには、被相続人の全ての戸籍と相続人の戸籍を用意し、さらに相続人の全員が相続放棄をしていなければなりません。
本件では、配偶者や子供が相続放棄をしているため、相続権は兄弟およびその子供まで及びました。
結果的に、総勢20名の戸籍等と相続放棄証明書が必要だったのです。
相続人の中には、被相続人の顔すら知らないという人も多数いました。
そういった方々は、自分が相続人であることなど当然知らないため、自主的に相続放棄をしているはずなどありません。
手紙や電話、ときには訪問して、事情の説明と相続放棄の必要性をお伝えして、全員が相続放棄をするように進めていきました。
なかには、行方不明の相続人方や、戸籍が火事で燃えて残っていない方(本人の連絡先も不明)までいたのです。
それでも何とか、相続人不存在確定という状況まで持ち込み、家庭裁判所で弁護士の先生が相続財産管理人に選任されることとなりました。
